つじつまあわせの科学史

判定 仮説 概要 解決したかった矛盾 提唱年 決着年 結論 備考
地球 球形をした地面 土地によって天体の見える角度が異なる 紀元前5世紀 1522 世界一周の成功などの証拠が集まった
× 導円と周転円 惑星の運動を決める大小の円運動 惑星がときどき逆行する 紀元前3世紀 1609 地動説と楕円軌道で説明できるようになった
× メガラニカ 南半球にある超大陸 陸地が北半球に偏りすぎている 紀元2世紀 1773 見つからなかった 南極大陸は想定より小さく別物とされる
× 天球 地球を取り巻く内側に星が張り付いた球殻 星が相対位置を変えずに回転する 2世紀 1838 星との距離が千差万別であることがわかった
病原体 病気を起こす小さな生物 患者と一緒に感染地域も移動する 1546 1882 病原菌が発見された
× エーテル 光を伝える媒質 光が真空を伝わる 1665 1905 検出できなかった 光は空間が伝える波ということになった
× フロギストン 燃焼によって放出される物質 燃焼によって物の重さが減る 1697 1775 酸素説でより定量的に説明がついた
× 生気 生物だけが持つ特別な力 有機物を無機物から合成できない 1700 1828 有機物が合成できた
小惑星 主に火星と木星の間を回る天体 ボーデの法則でn=3の軌道に惑星がない 1772 1801 発見された ボーデの法則はただの偶然とされた
× カロリック 熱を構成する物質 微粒子の運動を実験で証明できない 1777 1843 エネルギーの一種だとわかった
原子 物質を構成する粒子 気体の反応が整数比で起こる 1803 1905 ブラウン運動が原子が存在する証拠とされた
海王星 天王星の外側を公転する惑星 天王星の軌道が理論値からずれている 1821 1846 発見された
× バルカン 水星より内側を公転する惑星 水星の近日点が少しずつ移動している 1859 1916 見つからなかった 水星の軌道は一般相対性理論で説明がついた
遺伝子 遺伝を媒介する物質 遺伝形質が離散的に現れる 1865 1953 その正体がDNAであることがわかった
光子 光を構成する粒子 光のエネルギーがとびとびの値をとる 1900 1923 光が粒子と波の性質を併せ持つことが示された
冥王星 海王星のほぼ外側を公転する準惑星 海王星の軌道が理論値からずれている 1905 1930 発見された 予測していたのはもっと大きな惑星だった
× ピルトダウン人 類人猿と現生人類の特徴を併せ持つ化石 類人猿から現生人類に至る間の化石がない 1912 1953 捏造だった
宇宙項 重力の方程式の定数項で斥力をもたらす 一般相対性理論によると宇宙の大きさが変化する 1917 1929 宇宙が膨張している証拠が見つかった 膨張が加速している原因として再注目される
ニュートリノ 他の物質とほとんど相互作用しない粒子 ベータ崩壊でエネルギーと運動量が保存しない 1930 1956 発見された
× ディラックの海 エネルギーが負の領域を満たす無限個の粒子 ディラック方程式で粒子のエネルギーが-∞になる 1930 1942 場の量子論ではこれを仮定しなくてもよくなった
ダークマター 質量はあるが電磁波で観測できない物質 観測される物質の量と銀河の回転速度が合わない 1933 未発見
中間子 陽子と中性子を結合させる粒子 反発するはずの陽子が原子核の中に共存する 1935 1947 発見された
クォーク ハドロンを構成する粒子 ハドロンの種類が多すぎる 1964 1968 発見された
ヒッグス粒子 他の粒子に質量をもたらす粒子 標準模型によると全ての素粒子は質量を持たない 1964 2012 発見された
クォークの世代 3世代6種類で構成されるクォーク 物質は反物質と対消滅して宇宙に残らないはず 1973 1995 発見された
余剰次元 時空が持っている追加の次元 超弦理論は時空が10次元でないと成立しない 1984 未発見
ダークエネルギー 宇宙を膨張させるエネルギー 宇宙の膨張が加速している 1998 未発見
科学史において、理論上の矛盾を解消するために新たに想定された理論や物体と、それらが最終的に実証または発見されたかどうかを表にまとめました。 提唱年や決着年がはっきりしない場合は、大きな発表や発見があった年を代表として入れています。 説明に間違いがあるかもしれませんが悪しからず。